アタッチメント
トラクターのアタッチメントとは?状況別のアタッチメントの選び方は?
「トラクターのアタッチメントって?」、「アタッチメントってどう選べば良いの?」、「何か注意すべきことは?」等々、トラクターのアタッチメントを選ぶ際は色んな疑問点がわくと思います。この記事では、トラクターのアタッチメントとは何か、状況別の選び方、注意点、良くある質問を詳しく解説します。
トラクターのアタッチメントとは?
アタッチメントというのは、さまざまな用途に合わせて取り付けて使用する部品のことです。
農業においては、トラクターに取り付ける器具のことをアタッチメントと呼びます。
農耕用トラクターの場合、畑の耕作、畝立て、天地返し、草刈り、重量物の運搬など、用途に合わせてアタッチメントを取り替えるのが一般的です。これ1台あれば色んな作業が可能なため、作業効率を上げることができます。
下記では、状況別に使用するアタッチメントをご紹介します。
トラクターのアタッチメントの選び方 (状況別)
畑を耕す
畑を耕すには、「ロータリー」と「ブラウ」を使用します。どちらも畑を耕すのに使用しますが、違いがいくつかります。
ロータリー
ロータリーには、耕運するための爪が備わっています。それを回転させることで、土を耕たり、整地したりします。
また、それ以外の用途にも色々と使用できます。固い土や雑草を粉砕したり (粉砕した土については、ロータリーカバーにより飛散を防ぐことができます)、肥料を畑に散布したり、畝を平坦に整地したりもできます。
ロータリーで土を耕せる深さの目安は20cm程度です。高低差が少ない場所に適しています。
ブラウ
農作業で土を掘り起こすのに使用します (鋤を行います)。すき先が土に深く刺さるので、土を下から持ち上げてひっくり返すことができます。
ロータリーより土に深く刺さるので、よりしっかりすき込みたい場合や、より優れた乾土効果が必要な場合はブラウの方が適しています。ただし、より土の粉砕に重点を置いている場合はロータリーの方がおすすめです。
ブラウの注意点としては、使用後に土が横に広がってしまうことがあります。したがって、後で埋め戻しや整地作業が必要です。
畝作り
畝作りには、「畝立て機」と「マルチ」を使用します。
畝立て機
畝立て機を使用すると、畝立ての作業効率が上がり、畝がきれいに仕上げることができます。
畝というのは、農地において土が高く盛られたスペースのことです。これにより、作物の生育状況が良くなり、区画ごとの管理がしやすくなりますが、これを手作業で行うのは農地が広くなれば広くなるほど大変になります。この作業を簡単にするのが畝立て機です。
ロータリーに後付けするタイプと、専用タイプがあります。
畝の形状は収穫する作物によって異なることから、さまざまな形状が用意されています。
マルチ
マルチ張りに使用します。
マルチ張りというのは、畝の上からビニールをかける作業です。上記の通り、作物によって畝の形は変わるため、それに合わせてマルチにもさまざまな形状が用意されています。
代かき・畑の整地
ハロー
代かきや畑の整地には、「ハロー」が便利です。ハローには、通常タイプのドライブハローと折りたたみタイプのウィングハローがあります。
代かきというのは、田んぼに水を張ったり、土を混ぜたり、砕いたりして表面を平らにする作業のことです。代かきを行うための専用のアタッチメントが「ハロー」です。
土を細かく砕いたり、切りワラなどを鋤こんだりするのがやりやすくなります。また、速くきれいに平らに仕上げることもできます。
この作業はトラクターのロータリーでも代用できますが、ハローと比較してワラなどの鋤こみがしにくくなります。
代かきの作業頻度は少ないので、ハローを購入するかどうかは、こうしたメリットが自分にとって魅力的かどうかで変わってきます。
畦塗り
畦塗り機
畦塗りに必須のアタッチメントです。
畦塗りというのは、田んぼ周りの壁に出来た穴やすき間に田んぼの土を塗り、水が流れ出さないようにする作業のことです。田植え前に必ず行わなければなりませんが、これを手作業で行うのは大変な重労働で現実的ではありません。畦塗り機を使用すると、こうした作業から解放されます。
畦塗り機は、畦切り用の爪が回転して、古い土を上から下に粉砕しながら削り、その土を押しつけることで、丈夫できれいな畦を作ります。
肥料をまく
肥料の散布方式には、堆肥散布 (マニュアスプレッダー) と施肥 (ブロードキャスター) の2種類があります。
マニュアスプレッダー
たい肥の散布にします。打ちほぐして均一に散布することができます。
トラクターでけん引するタイプと自走するタイプがあります。用途に合わせて、散布部を横ビータ・縦ビータ・ディスクビータから選べます。
ブロードキャスター
肥料の散布に使用します。粒状・砂状の各種肥料を散布する際に便利ですが、水分の多い肥料には不向きです。
種まきや移植
プランター
畑の種まきには「プランター」を使用します。
「植付機」や「シードドリル」など、プランターの中にもさまざまな種類があります。また、特定の作物専用のプランターも存在します。
撒き方や土のかけ方など、作物によって作付け方法は異なるので、それぞれに最適なプランターを選ぶ必要があります。
中耕除草
カルチベーター
土壌や作物の管理には、「カルチベーター」を使用します。
カルチベーターを使用して根の近くの土を耕すことで、肥料の吸収が良くなります。この作業を行うと、雑草も同時に刈れます。
雑草がたくさん生えてしまうと、本来は作物に行くはずだった栄養がそちらに取られてしまいます。したがって、定期的に刈り取る必要があります。しかし、これを手作業で行うのは中々大変なので、カルチベーターがあると便利です。カルチベーターで除草する際は、雑草の根が張る前に行うようにしてください。浅くしか刈れないため、深く根を張った後だと効果が薄くなるためです。
重いものを運ぶ
トレーラー
コンバインや収穫した作物など、重いものを運ぶ際は「トレーラー」が便利です。
トラクター単体ではものを運べないので、トレーラーを取り付けることで重量物の運搬が可能になります。
トラクターのアタッチメントの注意点
トラクターにアタッチメントを取り付ける際は、下記の点に注意する必要があります。
トラクターの馬力
トラクターの馬力にあったアタッチメントを取り付ける必要があります。
使用するアタッチメントに必要な馬力がトラクターにない場合はアタッチメントの性能が生かし切れません。一方、トラクターの馬力がアタッチメントに最適な馬力より大きい場合、アタッチメントが壊れてしまうことがあります。
重量バランス
トラクターとアタッチメントの重量差が極端ではないか、注意してください。
重量差が大きいと、重心が変わって転倒の危険があります。トラクターの前輪には、最低限、トラクターとアタッチメントの質量合計の20%以上の荷重が必要です。
3点リンク
3点リンクとは、トラクターにアタッチメントを取り付けるための機構のことです。
トップリンクが長くて中折れしない「標準3点リンク」と、三角金具と短いトップリンクで構成される「特殊3点リンク」の2種類があります。どちらが使用されているのかはメーカーによって違ってくるので確認するようにしてください。
サイズ幅
トラクターのサイズ幅に合ったアタッチメントを取り付ける必要があります。
トラクター本体だけでなく、トラクターについているタイヤも合わせてちょうどよいものを選ぶと良いでしょう。
良くある質問
ハローや畦塗り機のリモコンをなくした。新しいリモコンはどう繋げば良い?
電池を入れた後、単に電源スイッチを1秒以上押してください。「ピーッ」というアラーム音が鳴り、パイロットランプが赤に点灯したら接続完了です。なお、シリーズによってリモコンの種類が違うため、購入前に正しい種類のリモコンであることを確認してください。
畦塗り機の「AUZ05Cシリーズ」と「AUZ03シリーズ」の違いは?
AUZ05Cの方が後継機なので優秀です。相違点は、主に下記3点です。
1つ目は、ディスク回転数の見直しが行われ、新たに面取り形状の段付きスパイラルローラーを採用されたことです。それにより、今まで締まりにくかった肩部、上面部の硬度が最大44%向上しました。
2つ目は、元あぜを削るロータリーに新階段アップカット方式を採用したことです。爪とその配列が最適化されたため、作業時の振動が軽減され、あぜ元に供給する土量も増加しました。
3つ目は、あぜ始まり距離が半減したことです。開始直後からきれいなあぜを形成できます。
ハローや畦塗り機のアプリ「Nipro Vision (ニプロビジョン)」はどう便利なの?
運転席から移動することなく、スマートフォンやタブレットで作業機の前後左右の傾き、オフセット量、オプションの耕深量/散水装置の散水量を確認できます。
アタッチメントの移動方法は?トラクター?フォークリフト?
アタッチメントの移動方法は2つあります。トラクターに取り付けたまま走らせて移動する方法と、フォークリフトでトラック等に乗せて運ぶ方法です。前者の場合、田んぼや畑等に入ったらそのまま作業できるので楽です。ただし、公道を走るための免許がいるのと、アタッチメントの重心等に気をつける必要があります (重心が偏っていると、移動時に機械が倒れやすくなります)。後者の場合、重心等を気にしなくて良いので安全ですし、特別な免許もいりません。なので、フォークリフトをお持ちの方はそれを使用して運ぶことをおすすめします。
トラクターのミゾホールにオートヒッチやワンタッチヒッチは使える?
使えます。ただし、ミゾホールは車体の3点リンク接続部に直接備え付けます。したがって、メーカー純正のオートヒッチやワンタッチヒッチなどを取り外さないと使用できません。ちなみに、既存の純正ヒッチなどは重いので、取り外しの際は注意してください。
アタッチメントの選び方に悩んだら
アタッチメントの選び方に困ったり、何か不明点があったりする場合は、あんていに気軽にお聞きください。当社では、中古のアタッチメントを非常に良い状態で販売しております。また、新品も取り扱っています。
下記は、あんていで扱っているアタッチメントの一例です。
- あんてい人気モデル: 二プロウィングハローWRZ3600N
- 外部油圧なしで、3.2~4.2mのワイドな作業幅
- 砕土性能が高い均平板加圧装置を標準装備
- 携帯端末用アプリ”Niplo Vision”で、作業状態のモニタリングを視覚化
- ニプロあぜぬり機 オフセットシリーズ AUZ355NJC
- 面取り形状の段付きスパイラルローラーを採用し、今まで締まりにくかった肩部、上面部の硬度が最大44%アップ
- クラッチ付ジョイントを標準装備し、シャーボルトの交換が不要
- Niplo Vision対応で手持ちのスマートフォン、タブレッドから作業状態を視覚化
- 操作と散布が簡単: もみがらキャリア MGC-401M
- 電動シャッター。リモコン操作なので楽々簡単
- 作業、防炎、帯電防止性に優れたシート
- 安心安全、効率アップのオプションが充実
- 50ps 以上 (収納容量は30~40俵/約4反歩)
まとめ
以上、トラクターのアタッチメントとは何か、その選び方、注意点、良くある質問について解説しました。
アタッチメントは種類が多く、迷われる方も多いと思いますので、この記事が役に立てば幸いです。