田植機

5分でわかる!田植機の選び方と注意点

5分でわかる!田植機の選び方と注意点

「田植機ってどうやって選ぶの?」、「免許は必要なの?」、「運転するときの注意点は?」、など、田植え機を購入する際は多くの疑問点がわくと思います。
この記事では、田植機の選び方、運転方法、注意点、そして今話題のスマート農業の田植え機への活用について解説します。

田植え機とは?

田植え機とは?

田植え機とは、イネを田んぼに植えるための農機具です。トラクターやコンバインと並んで、稲作には欠かせない機械です。水を張った田んぼに均一に植えることができますが、その際同時に肥料を蒔いたり、殺虫剤を蒔いたりすることもできます。

田植え機に免許は必要?

田植え機に免許は必要?

田植え機の操作に免許は必要ありません。田植え機を操作するのは田んぼの中で、公道ではないためです。公道を移動する際は、トラックの荷台等に乗せて運ぶ必要があります。ただし、田植え機で公道を走りたい場合は、小型特殊免許が必要です。普通自動車免許を持っている場合、別に取る必要はありません。同免許には小型特殊免許も含まれているためです。
とはいえ、田植え機は農耕用小型特殊自動車に分類されるため、軽自動車税がかかる上、ナンバープレートの取得が必要なので注意が必要です。廃棄の際も配車手続きが必要です。

田植え機の選び方

田植え機の選び方

田植え機の選ぶには、大きく分けて下記のことを考慮する必要があります。

  • 歩行型か乗用型か
  • マット式かポット式か
  • 側条施肥機が付いているか
  • 田植え機の条(列)数
  • エンジンの種類
  • 苗のせ台・予備苗のせ台があるか

歩行型か乗用型か

田植機には、「歩行型」と「乗用型」の 2 つの種類があります。

歩行型

歩行型は、自分で押しながら歩いて田植えをします。2~5条 (例) 植えタイプが主流のため、小さな田んぼにおすすめです。

乗用型

乗用型は、車のように乗って操作するタイプの田植機です。4~6条植えが主流ですが、8~10条植えの大型の物もあります。アタッチメントを付け替えることで、肥料や除草剤の散布ができます。ものによっては、植付けと同時に肥料散布を行えるものもあります。大きめの田んぼを持っている方におすすめです。

マット式かポット式か

植え付けには、苗箱に種をまいて育てた苗を使用します。使用する田植え機は、苗の生育方法によって、「マット式」と「ポット式」を選択する必要があります。

マット式

マット式は、苗箱全体に種をまいて育てた 2.1~2.5 葉、または 3.5~4.0 葉の中苗を使用します。育苗が簡単なのがメリットです。しかし、田植えの際に根を傷付けてしまい、根がしっかり張り直されるまで時間が必要なので、ポット式と比べて数日発育が遅くなります。また、その間に雑草が生えてしまうことも有ります。
デメリットを承知の上で、田植えをとにかく簡単にしたいという方におすすめです。

ポット式

ポット式は、あらかじめたくさんのくぼみがある苗箱を使って育てた 4~5 葉の中苗や成苗を使用します。苗の根を傷付けずに植えられるので、田植え後の発育が良く雑草が生えにくいのがメリットです。また、密植ではない分しっかりとした苗が育ち、収穫量も上がります。ただし、マット式と比較して種まきや育苗には手間がかかります。
多少手間をかけても、面積当たりの収穫量や利益を向上させたい方におすすめです。

側条施肥機が付いているか

側条施肥機というのは、田植えと同時に田んぼに肥料を撒く機械です。運転席後ろの容器 (ホッパー) に肥料を詰めると、植え付けと連動して肥料を散布できます。
側条施肥機のメリットは2つあります。1つ目は、作業効率が上がることです。これがないと、田植えの後に自分で肥料を散布しないといけないため、二度手間になってしまいます。2つ目は、コストが下がることです。植物は基本的に根から土壌の中にある栄養を吸収します。側条施肥機を用いない場合、「全面散布」という田植え前にも肥料を散布する作業を行う必要があります。この際、田んぼ内で稲が栄養を吸収できない場所にも散布することになり、無駄が発生してしまいます。側条施肥機がある田植え機の場合、稲が根をはる場所のみに散布できるので、より効率的な肥料散布が可能です。

田植え機の条(列)数

条数とは、一度に植えることができる苗の列数です。田植え機は、機械によってこの数が異なります。
歩行型の田植え機の場合、2~4条植えが一般的です。乗用型の田植え機の場合、4~10条植えまで可能です。一度に植えられる列の数が多ければ多いほど早く田植えを行うことができますが、田んぼのサイズと合っていない場合 (小さい田んぼなのに大きな条数の田植機を使用する場合)、小回りがききにくくなり、かえって作業効率が悪くなります。 したがって、条数は田んぼのサイズに合わせて選ぶ必要があります。
小規模農家で乗用型の田植機を使用する場合、4~6条植えがおすすめです。大規模農家の場合、8~10条植えが良いでしょう。

エンジンの種類

田植え機のエンジンには、ガソリンエンジンとディーゼルエンジンの 2 種類が使用されます。小型の田植え機はガソリンエンジンで、8~10条植えの田植え機はディーゼルエンジンが使用されます。
田植え機は基本的に年1回しか使わないため、使用前にエンジンの確認やメンテナンスを必ず行うようにしてください。

苗のせ台・予備苗のせ台があるか

「苗のせ台」は、名前の通り植え付ける前の苗を乗せる台です。田植え機後部に設置されています。田植機を運転していると、そこから苗が下に送り出され、自動的に植え付けが行われます。
「予備苗のせ台」というのは、苗のせ台の苗が少なくなってきたとき、苗を補充するために載せておく台です。

田植機の注意点

田植機の注意点

急な坂はバックで行う

田植え機の重心は中央から後方にあります。そのため、前進で坂に入ってしまうと転倒の恐れがあります。

曲がり角では内側後輪の脱輪に注意する

内側後方の車輪は見えにくくなっているため、脱輪しがちです。
したがって、どの位置に車輪があるのか感覚をつかんでおき、実際に曲がる際は車輪の位置に気をつけるようにしてください。

座席を離れる時はエンジンを停止する

エンジンを入れたまま機械から離れたら、勝手に動いたりして思わぬ事故の原因となります。必ず切るようにしてください。

ほ場から出る時は、機械の前部にウェイト代りに人を乗せない

田植え機の重心は中央から後方にあるため、その対策として機械前方に人を乗せてむりやり前方で登る人がいますが、絶対にやめてください。転落や機械に巻き込まれる危険性があります。

田植機の使い方

田植機の使い方

田植機は、大きく分けて3つの操作を行います。1つ目は、右足元ペダルでのブレーキです。2つ目はハンドル左側レバーによる前進/後進です。3つ目は、ハンドル右側にあるレバーによる苗のせ台の上下による植え付けです。
実際に植え付けを行うには、まず左側レバーにより田植機を前進させ、田んぼの中に入ります。入ったら、右側レバーで苗のせ台を下げた後にまた左側レバーを操作して前進すると、実際に植え付けが始まります。端まで植え付けたら、ブレーキをかけて停止します。そして、条止めレバー (あぜぎわクラッチ) で植付爪と苗送りベルトを止めた後、田植え機先端にある赤い部分をマーカーに沿って前進しながら旋回します。

田植えを行う際の注意点

田植えを行う際の注意点

田植えの時期は水利組合とあらかじめ相談する

田んぼへの入水は、水路から行うことが多いのですが、その順番は水利組合が決めています。また、大元の川を堰き止めて用水路に水を流すスケジュールを決めたりもしています。
したがって、いつでも好きなように田植えを行えるわけではありませんので、円滑な田植えのためにも水利組合とまず相談するようにしてください。
また、決まったスケジュールは中々変更することはできないので、多少の悪天候でも決行するようにしましょう。

田植え前の水の深さは浅めにする

田植え前は、植えた苗が水に浸かりつつも、ほぼ水面から出ているくらいの深さにしておきます。水が深すぎると、植え付け時に苗が不安定になったり、稲を植え付けるコースが見にくくなったりするためです。

田植えをするコースをあらかじめ考える

植えた部分はやり直しがきかないので、田植えを始める前にあらかじめ走行ルートを決めておきましょう。一般的に、外周部は最後に行うようにします。田植え後に通るルートがなくなってしまうためです。また、田植え機で旋回する際は土をえぐってしまいますので、最後に外周を通ることでそれらを整えることもできます。

肥料や除草剤は地元の農協や近隣農家と相談する

地域によって使用する肥料や除草剤、そしてそれらの使用量が異なります。そして、最適なものは地元の農協や近隣農家が知っています。
そして、量に関して、多すぎても少なすぎてもいけません。多すぎる場合、他の田んぼに侵入してしまい迷惑をかけてしまいます。一方、少なすぎると害虫や病気が発生してしまいこれもまた迷惑をかけてしまいます。
地域によっては除草剤の散布スケジュールを作成しているところもあります。

スマート農業: 田植え機の最新技術や収益化

スマート農業: 田植え機の最新技術や収益化

田植機も日々進化しており、各メーカーがこぞって「スマート農業」に取り組んでいます。スマート農業というのは、ICTやロボットを活用した農業のことです。たとえば、トラクターの自動運転や農薬散布が可能なドローンの活用などもスマート農業と言えます。
また、AIの活用により、今まで人間の勘や知識に依存していた一部の作業の機械化も実現しています。たとえば、画像解析による害虫の特定や、ビックデータの活用による天候の予測です。したがって、経験の浅い農家でも品質の高い作物を作れるようになりつつあります。
現状、導入コストの高さが問題となっていますが、これは時代が進むにつれて改善されていくでしょう。それに伴い、さらなる生産性の向上が期待できます。

まとめ

まとめ

以上、田植機の選び方、使い方、注意点、そしてスマート農業について解説しました。自分の状況 (慣れているかどうか?、田んぼの広さ) によって最適な田植機は変わりますし、注意すべき点も同様に変わってきますので、この記事が参考になれば幸いです。